例えば料理の話で。
何にでも砂糖を大量にぶち込む人を『料理がうまい人だ』なんてだれも思わないでしょう?
料理がうまい人っていうのは上手に火加減と味加減が出来て、必要なタイミングで調味料を入れることが出来る人の事を言うんです。
人との関わりでも同じような事が言えるかもしれません。
1. 料理の隠し味と、人間関係の「加減」
アンナみなさんこんにちは!案内役のアンナです。今日はちょっと耳が痛い、でもとっても大切な『人間関係の味加減』についてのお話です。……あ、料理といえば、ベルくんって意外と料理が得意って聞いたんだけど、何にでもマヨネーズを入れるって本当なの?



はあ?そんなわけねーだろ!俺はマヨラーじゃねぇ!
何にでもマヨネーズを大量にぶち込む奴を、誰が『料理がうまい』なんて思うんだよ。



料理がうまい奴ってのは、火加減と味加減がちゃんとできて、必要なタイミングで調味料を入れられる奴のことを言うんだよ



その通りだわさ!でもベル、それって人との関わりでも全く同じことが言えるんじゃないかしら?



そうなんだよ。例えば人間関係での振る舞いでも…。
私たちはつい『誰に対しても優しくあるべき』と思いがちですが、実はその『優しい』に関わる振る舞いには、ちょっとした注意が必要なんだ。
『優しい』それは無難な言葉



ああ〇〇さん?あの人なんて言うか…優しい人だよね
良く聞きませんか?こんなやり取り。
勿論、『優しい』という言葉自体はとても良い言葉です。
ですが、時折優しいという言葉の使われ方に何か含みがあるように感じる事ってありますよね。
何かちょっと違うニュアンスを含んでいるような雰囲気を会話の中であなたが感じたのなら、それはあなたの直感が正しいかも知れません。優しいという言葉には、良い意味もあれば隠された裏の意味があるんです。
そもそも『優しさ』って何でしょうか?
2. 「優しい」という言葉に隠された裏の意味



ああ〇〇さん?あの人なんて言うか…優しい人だよね



出たよ、それ。悪気はなさそうだけど、他に褒めるポイントが見つからない時に使う『無難なオブラート』だろ? 聞いててなんか裏がある気がしてイライラするんだよな



ベルくんのその直感、あながち間違いではありません。ここで一度、冷静に『優しい』という言葉の定義を辞書(weblio辞書)で分析してみましょう。
上記はweblio辞典から引用した『優しい』の意味についてです。
「他人に対して思いやりがある」「情がこまやかである」「性質がすなおでしとやかである」「悪い影響をあたえない」とか、対人関係で良い意味合いばかり書いてありますよね?
でも、こんな意味も含まれているんです。
「つつましやかである」「殊勝である」「けなげである」……これも、別に悪い意味では無いです。
でも他人に与えるイメージとして考えると、どうなんだろうという感じがしませんか?



どれも悪い意味ではないけれど、対人関係のイメージに置き換えると、ちょっとニュアンスが変わってくる気がするだわさ…
優しい人と誰かが言われた時に、どんな意味の「優しい」が含まれているのかは吟味が必要かもしれません。
『優しい人』という言葉から連想されるイメージはどんな感じになりますか?
物腰が柔らかい温和なイメージでしょうか?
厳しい発言をしないで場を和ませる雰囲気でしょうか?
穏やかな表情?ほほ笑みを絶やさない表情?柔らかな口調でしょうか?
それとも、
ノーとはっきり言えない、断れない控えめなキャラクターの事を指しているのでしょうか?
ひょっとしたら、押しに負けてしまいそうな雰囲気や、「取るに足らなそうな」人物像を指しているかも知れません。
更に言えば、とりあえず悪い響きのしない言葉の代表格のような『優しい』を前置詞のように置いておけば、何でもオブラートに包んで悪い感じが無くなるという「それ自体に特に意味の無い言葉」として使う場面もあります。
早い話が「優しい」は時として、とても便利で無難で、怖い言葉なんですよね。



あの人って優しいけどお金にルーズでせこいんだよね。



ほら見ろ!結局、都合のいい免罪符に使われてるじゃねーか!
3.対人関係の世界で「優しい人」でいる事の危険性



うう…厳しい話になってきただわさ……
結構厳しい感じで話を進めていますが、更に厳しい感じにこれから話を進めていこうと思います。
言葉としての意味合いだけでなく、使われる場面やシチュエーションを踏まえて考えてみると「優しい」という表現は裏の意味を含んでいる場面が多いです。
いえ、あえて言うのであれば。
対人関係や会話の場面でカジュアルに使われている言葉の多くは、十中八九裏の意味を含んで使われている事を考慮した方が良いんですよね。
優しい人と呼ばれている人は、そう呼ばれるような雰囲気やエピソードを持っていて、相手から優しい人と評される「何か」がある訳ですが、その何かには裏の意味を含んでいる事を考慮しましょう。
ここで言う裏の意味は……
「相手に甘く見られている」「頼み事やお願いを引き受けてくれそう」「ノーと言えなさそう」「上手く言いくるめる事が出来そう」といったあまり良くないものです。
4. 自己犠牲は正義じゃない。上手く自衛しよう!



でも、小さな頃から『人には優しくしなさい』って教育を受けてきた人は、つい無理をしてでも優しくしちゃう傾向がありますよね



ええ。臨床の現場でも、家族や周囲のために自己犠牲的に奉仕しすぎて、自分自身がすり減ってしまう方を多く見てきました。『優しくなければ価値が無い』『損をしてでも奉仕せよ』というメッセージを真面目に受け取りすぎてしまうんですね
もし仮にあなたが、『優しい人』と周りから思われたり、実際にそう言われている場合、その環境の中で周囲の人にどんなイメージを発信しているかは注意が必要です。
優しさはそれ自体は美徳で、とても大事な品性だと思います。
しかし、だからこそ、振る舞い方に適切さが求められるのかも知れません。
『優しい人』と言われたその人は本当に優しい人で、周りの人が本当に良い意味で『優しい。』と言っている場合ももちろん有るでしょう。それならそれで良いんです。
でも、全員があなたの『優しい様子』を正しく評価するとは限りません。
あなたの優しさを『弱さ』と見なしたり
『こいつは格下な奴だから周りにへりくだっている』なんて認識する人もいるかもしれません。
優しい振る舞いを見て『良い子に自分を見せたい裏がある人間』と思う人も中にはいるかも知れません。
猜疑心を持った人の中には『哀れに思いこちらを侮辱しているふるまい』と認識する人もいるかも知れません。
優しさはそれ自体はとても良い言葉です。
ですが、あえて言うのであれば 誰にでも、いつでも、同じように振舞うべき態度では無いです。
少なくとも大盤振る舞いで分け与えようとするのは違うかもしれません。
優しさはのふりまき方には注意しましょう。
自己犠牲や奉仕精神だけが優しさじゃない。
優しさを、目に付く全ての人に与えようとする人や、無理をしてでも振舞おうとする人がいます。
それは周りの人から見たらもちろん『優しい』様子に見える事が多いかもしれません。
『人は優しくあるべきだ』『優しさこそが正義だ』『優しさはこうあるべきだ』という教育を日常的に受けた人は、それがその人の人格形成に大きな影響をうけてしまう事があります。
例えば『優しくなければ人として価値は無い』
『自己犠牲こそ人として本当の振る舞いだ』
『損をしてでも愛情を奉仕せよ』(あくまで例えですのであしからず)
……などのメッセージを受け取った人は、自己犠牲的に優しさを奉仕する形で周りに提供してしまいがちになります。
はい。
ここまで読んで「私はここまでは考えていないから大丈夫」
「さすがにここまででは無い」と思っている人もいると思います。
でも人間関係は相互の関係です。
ここまで極端では無くても『所属するグループの中で、人はそれぞれ役割を担う』訳です。
あなたが『優しい人ポジション』の役回りでいる可能性だってあるんですよね。
そして
あなたが所属するグループに『相手を支配するやばい人』がいるかも知れないんですよね。
良いようにコントロールされないように注意しよう!



『私の周りでは大丈夫』って思ってる奴ほど危ないんだって。人間関係なんてお互いのバランスなんだからさ



そうかもしれないね。極端ではなくても、人は所属するグループの中で自然と役割を担ってしまいます。あなたが無意識に『優しい人ポジション』の役回りを引き受けてしまっている時、そこにもし『相手を支配するコントローラー(やばい人)』がいたら、良いようにもてあそばれてしまうんです
自己犠牲的に他者に奉仕しすぎる傾向にある人は、周りの支配者(コントローラー)に良いようにもてあそばれてしまうかも知れません。ただ只優しい、という人こそ注意が必要です。
思いやりがある事が『優しさ』なら、『優しさ』を有意義に適切に取り扱いましょう。
あなたの優しさは、あなたが大事に思う人にこそ振舞われるべきだと思いませんか?
それに、他者だけではなく自分自身にだって優しくしてあげるべきではないでしょうか?



結論として、あなたの優しさは、あなたが本当に大事に思う人にこそ振る舞われるべきです。エネルギーは有限ですからね



それに、他者だけではなく、自分自身にだって一番に優しくしてあげるべきです。冒頭の料理の話と同じで、調味料(優しさ)は必要なタイミングで、適切な量だけ使うからこそ、良い関係という『美味しい料理』が完成するんですよ!



相手に都合の良いようにコントロールされないように、上手く自衛してほしいだわさ!それでは、今回はこの辺で失礼いたしますだわさ!
相手に都合の良いようにコントロールされない様にだけは注意しましょう。
上手く自衛してくださいね。
それでは失礼いたします。ご自愛くださいね。

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